このブログを始める時点で、大学教員を辞めてから、すでに1年半以上経っています。
私としては、学生時代以来20年ぶりに、必死に勉強した期間と自負しています。
「じゃあ、20年間は何もしなかったのか」というツッコミが来そうですが、そのツッコミにはいずれ答える機会もあるはずです。
いずれにしても、象牙の塔にこもっている間に、日本の雇用環境がこんなにも変わっていたとは…
もちろん、それは「良い」変化です。
だからこそ、大学教員を辞めた私も、こうして暮らしていられるのです。
今回は、大学教員を辞めてからの1年半で気づいた、雇用環境の「良い」変化を挙げてみたいと思います。
〈変化1〉求人の多さ
私は、まさに就職氷河期を経験したミレニアル世代です。
学生時代は民間への就職も視野に活動していましたが、とにかく厳しい状況でした。
さらに厄介なことに、アナログな就活がデジタル化されようとしていた過渡期で、必要な手順がやたら複雑など、結構まいってしまう状況でした。
その後、いろいろあって大学院へ進むのですが、当時は有力な選択肢でした。
そうした苦い思い出がある身からすると、本当に今は求人情報が溢れています。
人手不足は深刻なわけですが、若い方々からすれば、それだけ優位に立てるということですから、一方的な見方はできません。
〈変化2〉転職へのポジティブな意識
私が学生の頃は、まだまだ終身雇用・年功序列を「当たり前」と考える風潮が残っていました。
ちょうど小泉純一郎政権の構造改革が始まろうとしていた時期で、変化はまだまだこれからという時代でした。
そうした時代において、就活の時点で「転職もあり」と考える学生は、少なくとも周囲には皆無でした。
あの頃に比べると、転職こそ「当たり前」と考える今の時代は、本当にありがたく感じます。
もちろん、今でも「転職回数~回まで」みたいな条件を付記する企業も見受けますが、明らかに少数派です。
〈変化3〉風変わりな経歴もフラットに見てくれる
いくら転職が「当たり前」になっても、大学教員からの転職は超希少でしょう。
本当に周囲からは「変わり者」扱いされましたが、私は後悔していません。
と言うのも、何回か面接を受け、採用もされましたが、それらの職場では私の経歴をフラットに見てくれたからです。
非常に風変わりな経歴ですから、書類選考で落とされる職場の方が多かったのですが、とりあえず面接してくれた職場は、むしろその経歴を買ってくれました。
「珍しい経歴なので、将来の役割に期待している」とも言っていただけました。
将来の夢のため、最終的には退職しましたが、今でもその職場には感謝しています。
とにかく、今の時代は様々な職業が「創造」されている時代です。
20年前なら「風変わり」だった経歴も、今ではフラットに見てくれます。
〈変化4〉どんな職業でもリスペクトされる
様々な職業が「創造」されていることに関連しますが、今の時代は、本当にどんな職業でもリスペクトされます。
私が学生の頃は、職業に応じた偏見が、まだまだ根強い時代でした。
特に学歴と結び付けた偏見が根強く、「大学まで出て、何でこんな職業に就いているの?」みたいな見方が、今よりも蔓延していました。
あの頃に比べれば、今は本当に互いを尊敬し合う時代となりました。
残念ながら、偏見は今も根強いと聞きますが、他方で職業の選択肢は広がっているので、そこは感謝すべきだと思います。
〈変化5〉精神論が衰退し、効率性重視になった
最後に、精神論が衰退し、効率性重視の風潮が強まったことが挙げられるでしょう。
何時間働いたかではなく、何を生み出したか、あるいは何をなしたかという成果重視へのシフトです。
こちらが残業OKでも、上司の方は、さらに上から怒られるということで、定時になると「早く帰れ!」と煽ります(笑)
過度な効率性重視や成果主義の風潮は、それはそれで問題を抱えます。
しかし、「早く帰りたいから手際よく仕事を終わらせよう」という趣旨の発言をしても怒られなくなったのは、間違いなく「良い」変化でしょう。
まとめ
この1年半、学生時代に戻ったような時間を過ごしました。
求人情報等を見ると、本当に「浦島太郎」状態になります。
しかし、それは「良い」変化なので、私のような者にも平等にチャンスがめぐってくる時代になったことをありがたく思います。
この「良い」変化の波に乗り、私も若い頃の夢を、もう一度追いたいと思います。